IPOの意義
IPO（株式公開）によって企業はプライベート・カンパニーからパブリック・カンパニーとなることにより社会的責任が増大し、「企業の成長」「経営の透明性」等が投資家から要求される一方で、IPOは企業に下記のようなメリットをもたらします。
【資金調達力の増大と多様化】
公募による時価発行増資、社債の発行等、資本市場での直接金融が可能となる一方、上場によって社会的信用度が向上すること等により金融機関から有利な条件での借入が可能になります。
【知名度及び信用力の向上】
上場審査基準をクリアすることにより、上場企業として信用力が向上するとともに知名度が向上します。信用力の向上は、取引条件（金利、支払サイト）の改善や、取引先の増加につながります。
【優秀な人材の確保】
上場することで会社の知名度が向上し、優秀な人材のより一層の確保が期待できます。また、ストック・オプション等の業績と連動するインセンティブプランを導入することも優秀な人材の確保の手段として有効な施策となります。
【従業員の志気向上】
自社の株式を利用したインセンティブプランを導入することによって、従業員の志気を向上させることができます。具体的なインセンティブプランとしては、従来型の従業員持株会制度のほか、ストック・オプション等を利用して「将来的に株式を取得する権利」を付与する方法があります。
【経営体質の強化】
IPO準備の過程で上場企業にふさわしい内部管理体制の構築、内部統制の構築や決算早期化による企業経営の効率化が図られ、経営体質が一段と強化されることになります。
【企業価値の可視化】
上場株式は、株式市場において日々頻繁に取引がなされることで、取引価格に客観性を担保できるとともに、市場での取引量が多ければ処分可能性もさらに高まります。また、会社の事業戦略や事業計画の実現可能性等を市場が適切に判断することで、これらを適切に企業価値や株価に反映させることができます。その結果、自社の客観的な価値を認識することができ、また、客観性のある公正な価格での事業売却も可能になります。
【創業者利潤の実現】
株式上場時において保有株式を売り出すことにより、投下資本を回収し創業者利潤を実現することが可能となります。
IPOは企業に上記メリットをもたらすことで、最終的に企業価値の増大を可能にします。