事業承継に纏わる問題の現状
事業承継に纏わる問題の現状
中小企業白書(2006年版)によれば、年間30万社近い会社が廃業する中、後継者不在を第一の理由とする廃業が7万社に上ると報告されています。事業承継問題にはこのような後継者不在を原因とするもの以外にも様々な問題が複雑に絡み合っているケースも少なくなく、その解決には十分な事前準備と高い専門性が要求されます。当事務所は、専門家として、近い将来又は遠い将来に起こり得る事業承継問題に対して様々なソリューションを提供し、円滑な事業承継の実現をバックアップいたします。
事業承継の現状
- 代表者の平均年齢の推移
- 中小企業経営者は高齢化傾向にあります。
- 中小企業においては、意思決定権限が強い代表者が高齢化してしまうことに伴う経営者の身体的リスク及び経営判断力の低下等により、企業の活力が低下し、結果として廃業という形で経営活動を停止せざるを得なくなる最悪の事態も想定されます。
- 後継者決定の有無及び先代経営者から事業を引継いだ時に生ずる問題点
- 60歳代の企業経営者の約3割について、後継者が決まっていません。
- 事業承継に苦労した点として、「経営力の発揮」並びに「金融機関、取引先及び従業員への対応」が上位を占めています。
- いずれも、一定の歳月を要する対応が求められ、先代経営者によるバックアップのみならず、早めの対策が重要と考えられます。
- 先代経営者と後継者との関係と事業承継の経緯
- 親族内承継が減少してきており、親族内での後継者確保が困難になってきています。
- これに伴い、外部への売却が増加傾向にあり、事業を引継ぐ者とその経緯が多様化しています。
事業承継の類型
- 人的承継(後継者問題)
- 同族内承継 ⇒ 後継者の育成
- 経営者として相応しい後継者候補を選定し、十分な教育を実施すると共に適切なタイミングで権限を委譲していくことが求められます。
- また、会社の株主として望ましくない者に株式が移転しないよう、事前の配慮が必要となります。
- 同族外承継 ⇒ 創業者利益の極大化
- 売却に向け、企業価値向上に資する事前の施策が必要となります。
- 売却先を選定すると共に、創業者利益が極大化する売却スキームを立案する必要があります。
- 社内の人材を登用 ⇒ MBOやEBOの活用
- 社外への売却 ⇒ M&Aによる外部売却
- 廃業 ⇒ 従業員や取引先への対応等
- 従業員の再雇用先を確保する必要があります。
- 取引先の事業継続に支障が生じないことその他様々な事情に配慮しつつ、廃業へ向けたスムーズな対応が望まれます。
- 同族内承継 ⇒ 後継者の育成
- 物的承継
- 自社株移転コスト ⇒ 税コストの極小化
- 同族内外承継にかかわらず、事業承継実行に伴う税コスト低減に力点を置いたスキームを立案する必要があります。
- 特に、同族内承継の場合、譲渡、贈与及び相続を効果的に組み合わせることにより最適な事業承継スキームを立案する必要があります。
- 移転の方法とタイミング
- 会社を引継ぐ者や移転の目的に合わせ、適切なタイミングかつ最適なスキームにより、スムーズな事業承継を実現する必要があります。
- タイミング又はスキームの判断を誤ると、思わぬ税コストが発生することもありますので、注意が必要です。
- 自社株移転コスト ⇒ 税コストの極小化