当事務所のサービス

IFRS導入支援業務

(1)ご支援の方針

企業活動のグローバル展開が進む中、IFRSの任意適用企業は着実に増加しており、日本における会計基準のグローバル化は今後も加速していくことが見込まれます。世界的にも会計先進国の多くがIFRSを適用しており、IFRSのグローバルスタンダード化は着実に進んでいる状況です。
当事務所では、IFRS導入支援経験を有する公認会計士が中心となり、実践的かつ効率的なIFRS導入をご支援することが可能です。日本の会計基準は会計ビッグバンを契機に、今や国際的にも遜色のない高品質な会計基準となっており、現行の日本基準の考え方とIFRSの考え方を各企業における実態を踏まえ丁寧に整理することで、現行会計処理の抜本的変更ではなく、部分的変更によってIFRS適用可能なケースが多くあることから、可能な限り日本基準を尊重する方針でご支援を行います。

(2)IFRS導入までの全体像

IFRS導入までの標準的なスケジュール及び当事務所のご支援のタイミングの概要は以下のとおりであり、3年程度の準備期間を見込んでおく必要があります。

【図表2】

(3)サービスライン

①プロジェクト管理支援

  • IFRS導入に向けた基本計画策定支援(検討対象の絞り込み、対応の詳細度や優先順位の決定)
  • 基本計画をタスク別に分解した詳細計画策定支援
  • プロジェクト進捗管理や課題共有のためのコミュニケーション支援
  • 会計監査人や関係会社との折衝支援

②基準差異分析支援

  • 日本基準とIFRSにおける会計処理上の差異分析及び対応方針の検討支援
  • 日本基準とIFRSにおける開示上の差異分析及び対応方針の検討支援
  • 対応方針は、会計処理、業務プロセス、システムの対応を中心にご支援します。

③会計制度支援

  • 決定した対応方針にしたがったIFRS会計方針書やISRS会計マニュアルの作成支援
  • 開示のモデル様式の策定支援
  • IFRS連結レポーティングパッケージの策定支援
  • 関係会社展開支援
  • IFRS財務諸表の作成トライアル支援

なお、IFRSでは「のれん」の償却が認められていないため、償却前「のれん」の金額に重要性がある場合、IFRS導入による減損損失発生のリスクを慎重に考慮する必要があります。当事務所では「のれん」の減損損失の可能性を検討する上で必要な事業評価額算定のご支援も実施可能です。
また、IFRSでは有償新株予約権についても株式報酬を費用計上する可能性がありますので、多数の有償新株予約権を発行している場合、IFRS導入による株式報酬費用の発生額を慎重に考慮する必要があります。当事務所では有償新株予約権に関する株式報酬費用の影響額のご支援も実施可能です。

④プロセス変更支援

  • IFRS導入により新たな会計処理や開示情報の要請に応じた社内情報収集経路の構築支援
  • 新たな情報集経路に関する内部統制監査を意識した内部統制の構築支援
  • IFRSに対応した予算制度の構築支援
  • IFRSに対応した業績管理のための管理会計の構築支援
  • 決算期統一及び決算早期化のご支援

⑤システム対応支援

  • IFRSに対応したシステム開発にあたり要求仕様の検討支援

分配可能利益の算定や所得計算上の基礎となる単体財務諸表は、日本基準での会計数値が利用されると考えられます。そのため、会計システムでは日本基準(会社法の要請や税務上の要請に対応するもの)による単体財務数値を保有するほか、IFRSへの組替仕訳の情報、IFRSでの連結財務数値の保有が少なくとも必要です。このほか、管理会計用、会計監査対応用等といった目的から、様々な形式で情報を保有する必要があり、会計システムの開発に当たって必要な要求仕様の整理はIFRS導入後の円滑な運用のためにも必要不可欠となります。

⑥人材育成支援

  • IFRSの概要に関する基礎研修支援
  • IFRSの基準書別の個別研修支援
  • その他、ご要望に応じた研修支援

のれんの減損テストに関する評価業務

IFRSにおける、のれんの減損テストの必要性

国際財務報告基準(IFRS)における、のれんの減損テストの必要性
  • IFRSにおいては、IAS36「資産の減損」に従って減損テストを実施する必要があり、のれんの減損テストもIAS36に基づいて実施することとなります。
  • のれんの減損テストは、減損の兆候が識別された場合はその都度、また減損の兆候の有無にかかわらず毎年一定の時期に実施する必要があります。
  • のれんの減損テストに際しては、のれんを配分した現金生成単位(CGU)ごとに回収可能価額を見積もる必要があります。なお、回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値と使用価値のうちいずれか高い金額となります。
  • CGUの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、のれんの減損を認識することとなります。
    処分コスト控除後の公正価値と使用価値の双方を算定することは必ずしも必要ではなく、どちらか1つでも帳簿価額を超過する場合には、もう一方の金額を見積る必要はありません。

処分コスト控除後の公正価値と使用価値

公正価値 使用価値
公正価値とは、市場参加者間の秩序ある取引において資産を売却するために受け取るであろう価格又は負債を移転するために支払うであろう価格をいいます。
契約に基づく価格や活発な市場における市場価格があればこれを使用しますが、CGUの公正価値としてはこれらが存在しない場合が多いため、市場参加者によって形成される仮定を盛り込んだ税引後将来キャッシュ・フローを適切な割引率により現在価値に割引くことによって算定することが考えられます(DCF方式)。
使用価値とは、CGUから生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値をいい、CGUの税引前将来キャッシュ・フローを適切な割引率(税引前)により現在価値に割引くことによって算定します(DCF方式)。
  • 公正価値は市場参加者の予測に基づくものであり、使用価値は経営者の予測に基づくものであることから、通常は使用価値の方が算定しやすいと考えられます。しかし、使用価値の見積りには以下の制限があることに留意が必要です。
    キャッシュ・フローの予測期間は原則として5年を超えてはならない。
    将来の拡張投資、将来のリストラクチャリングの効果は除外しなければならない。
  • CGUの取得価額が、将来の拡張投資等を織り込んで決定されているような場合には、当初より使用価値が帳簿価額を下回ることが起こり得ます。このような場合においては、処分コスト控除後の公正価値を算定することにより減損テストを行うことが適切な場合もあると考えられます。

のれんの減損テストに関する当事務所の支援業務

外部の算定機関による評価の有用性
IFRS適用会社においてはのれんの償却が行われないことから、減損した場合の決算への影響が大きくなることも考えられます。そのような場合に、回収可能価額を慎重に検討する目的で、あるいは会計監査人からの要請等により、外部の算定機関による回収可能価額の評価結果を利用することが考えられます。

のれんの減損テストに関する当事務所の支援業務

貴社においてのれんの減損テストを実施する際に、当事務所にて回収可能価額の算定を行うことにより、貴社の減損テストを支援いたします。
公正価値、使用価値いずれの評価にも対応いたします。
算定結果に関し、貴社の会計監査人とのディスカッションや質問対応についても支援いたします。

評価業務の作業ステップ

評価業務は下記の作業ステップにて実施いたします。

fig01

  • 評価業務に関する十分な知識・経験を有する公認会計士が担当いたします。
  • 貴社との十分なディスカッションに基づき、評価を実施いたします。また、必要に応じて貴社の会計監査人との事前のディスカッションにも対応いたします。
  • 作業に要する期間は対象事業の規模等によって異なりますので、事前の打ち合わせを踏まえ可能な限り貴社のご要望に沿ったスケジュールをご提示いたします。
  • 業務報酬につきましては、想定作業時間に基づきお見積りをご提示いたします。

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